今年の流行は早い? インフルエンザ対策を専門医に聞いた
もし、インフルエンザを発症したら?
現在、日本で承認されている薬は5種類。昨年、従来とは違うメカニズムの薬「ゾフルーザ(一般名バロキサビルマルボキシル)」が発売され話題になったが、耐性ウイルスの問題が指摘されている。
「健康な成人では耐性ウイルスが見られる率はそれほど高くありません。また耐性ウイルスが見つかっても、全く効かなくなるわけではない。症状の持続時間が長くなるため、人にインフルエンザをうつしやすくなる。ゾフルーザは1回投与で済み、これはほかの薬にはない特徴です。一方、同じ内服薬のタミフル(一般名オセルタミビルリン酸塩)は1日2回、5日間投与しなければならない。私はゾフルーザ、タミフル双方のメリット、デメリットを話し、患者さんに選んでもらっています」
なお、ゾフルーザの耐性ウイルスができる率は、小児の場合、成人より高い。日本小児科学会は12歳未満の小児には、積極的な投与を推奨しないとしている。
保険適用外だが、予防薬として投与が認められている薬もある。
前出のタミフル、吸入薬のリレンザ(一般名ザナミビル水和物)、同じく吸入薬のイナビル(一般名ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)だ。
家族に高齢者や慢性呼吸器疾患、心疾患、糖尿病などの基礎疾患患者がいる場合は、検討するのもありだろう。