世界的科学誌で報告「膵がん」はお腹のカビが原因だった?
それは体の免疫力の7~8割を担っている腸の機能が低下してがん化しやすい環境になってしまうだけでなく、さまざまな病気の原因になるということでもあるのだ。
例えば、真菌の一種であるカンジダ菌が増えると腸内細菌叢のバランスが乱れ、喘息などのアレルギーが発症することが明らかになっている。
「真菌は自ら出した酵素で腸壁を溶かして足場をつくる。そのため数が増えると腸は炎症を起こし、異物や有害物質が体内に入りやすくなり、アレルギーなどを発症しやすくなるのです」
お腹のカビが作り出す物質には体に有害なものやその量が多いと弊害をもたらす物質がある。タンパク質の構造や機能を変えるアラビノース、腎臓結石のもとになるシュウ酸、免疫系に毒性を持つグリオトキシンなどだ。
お腹にカビが多い人は、慢性的な低血糖になりやすいという話もある。人間から横取りする糖質が増えるからだ。すると、脳が甘いものを常に欲するようになり肥満、糖尿病につながるという。
お腹のカビが増える一番の理由は抗生物質の乱用だ。腸内の細菌の数が減る分、カビが増えるからだ。糖質過多と高脂肪食もその理由のひとつだ。近年の食の欧米化と膵がんの急増は何かしらの関連があるかもしれない。