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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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 前回のこの連載で、「糖尿病は“治る”」というお話をしました。「糖尿病はいったん発症すると治らない」がこれまでの常識。人間の体には、血糖が高くなれば低く戻す力が備わっています。しかし、ひとたび高くなると、その低く戻す力が破綻し、戻らなくなると考えられてきたからです。

 しかし最近の研究で、糖尿病を発症しても早い段階で徹底した対策を講じれば、糖尿病は“治る”ことが分かってきました。英国の「DiRECT」(糖尿病を寛解するための臨床試験)という研究で発症後6年以内の2型糖尿病患者を調べたところ、食事療法や運動療法で集中的に体重コントロールに取り組んだ群では、1年後、内臓脂肪が減少し、血糖値が正常値まで低下。インスリン産生にかかわるβ細胞が正常化して膵臓がきちんと働くようになり、必要量のインスリンを分泌できるようになったことが確認されました。

 ポイントは、「糖尿病発症後、早い段階での徹底した対策」。「DiRECT」では「発症後6年以内」を対象としており、さらに糖尿病が“治った”患者さんたちの平均罹患期間は2・7年でした。

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