爪の水虫放置で体のあちこちにカビ…転倒・骨折リスクも大
飲み薬は現在3種類。2018年承認の最新の飲み薬「ホスラブコナゾール L―リシンエタノール付加物」は12週間服用する。「テルビナフィン」は24週間、最も古い「イトラコナゾール」は1週間内服し、3週間休薬を3サイクル繰り返す。対象が異なるので正確な比較はできないが、臨床試験で「ホスラブコナゾール L―リシンエタノール付加物」で治療した人が1年後に60%弱完治しているのに対し、塗り薬では1年間塗り続けても完治する人が20%を切る。塗り薬で完治させるには、最低でも1年、人によっては2年以上使い続けなければならない。飲み薬は長くても6カ月なので、治療終了までの期間の差は大きい。
「副作用の点から見ると、飲み薬は肝障害などの副作用があるため、塗り薬の方が選びやすいと言えます。しかし、3つの飲み薬のうち最も適切なものを選び、医師の管理の下に服用すれば、高齢者でも大きな心配をすることなく治療を受けることができます」
整形外科や内科の医師にありがちで、また皮膚科医も陥りやすいのが、「処方のハードルが低いからと、爪水虫に対して塗り薬を優先的に処方し、かつ漫然と外用させ続けること」――。 早く治療を終えたければ、適切な治療ができる皮膚科医を受診すべきだろう。
なお、前述の通り、爪水虫と足水虫では効く薬が違う。足水虫で処方されている塗り薬を爪にも塗っても、爪水虫は治らない。