蛭子能収氏はレビー小体とアルツハイマーの合併 では日本人に多い「脳血管性認知症」とは?

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「脳血管性認知症にはほかにも特有の症状があります。場違いに泣いたり笑ったりする感情失禁や欲求を制御できずに物を無制限に欲しがったり、お金を浪費したりします。また、病気の引き金が脳血管障害ですから、片麻痺、失語、うまく呑み込めない嚥下障害や正しく発音できない構音障害の症状があらわれることがあります。さらには実行機能障害といって、段取りを考えて行動することができなくなり、意欲が低下するアパシーと呼ばれる状態になることも多いのです。そして、前頭葉の血流が低下するため注意力が保てず間違いが増えるという特徴があります」

 認知機能は、脳血管障害の再発のたびに悪化する。そのため、徐々にではなく一進一退を繰り返しながら段階的に症状は進行していく。例えば、小刻みな歩き方から始まり、意欲の低下が見られ、言葉がハッキリしなくなると共に嚥下障害があらわれ、記憶障害となり、尿失禁などへ移行していく。

「脳血管障害のなかで最も認知症を引き起こしやすいのが脳梗塞であるため、脳梗塞を起こさないことが重要です。糖尿病、高血圧症や脂質異常症など生活習慣病にならないよう食べ物に気をつけ、普段から運動をして血流を良くしておくことが予防に繋がります。そして、降圧薬などの生活習慣病の治療薬のみでなく、抗血小板薬や抗凝固薬といった血液サラサラの薬に血管性認知症を予防する効果があることも知られています。一方、脳梗塞が起きたときになるべく早く脳の血流を回復させることが大切です。いまは発症後4・5時間以内ならt-PA(アルテプラーゼ)と呼ばれる血栓溶解剤を静脈注入すれば、すばやく血栓を溶かすことができます。最近はカテーテル(細長い管の医療器具)を血管内に進めて、脳の血管に詰まった血栓(血液の塊)を絡めて回収する血栓回収療法と併用することで治癒率がアップしています。ただし、両方の治療法を24時間365日行える病院は限られているため、予め調べておくことが大切です」

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