医療現場では新型コロナ患者に有効な治療が確立されつつある

公開日: 更新日:

「ステロイド薬を使うと免疫が落ちるので、ウイルスが多く残っている状態では使用しません。また、新型コロナ患者は気道や肺胞の粘膜が荒れるため、細菌に感染して細菌性の肺炎を合併するリスクが高くなります。仮に細菌性肺炎が強く表れている場合は、さらに抗生剤を使います。いずれにしても、基本的には抗ウイルス薬を投与してウイルスを退治するのはレアケースです」

 薬で炎症を抑えながら免疫をコントロールして軽快した後は、後遺症を防ぐためにすべての患者に対して抗血栓療法を行う。

「新型コロナの患者さんは、あちこちで血管炎が起こり血栓ができてしまいます。それが倦怠感、めまい、耳鳴り、息切れといった後遺症につながっていると考えられています。そのため、血液をサラサラにする抗凝固剤『ワーファリン』を使って血栓の形成を防ぎます」

 江戸川病院では、軽症~重症に近い状態を含む中等症の患者にこうした手順で薬物治療を行い、人工呼吸器はほぼ使わずに救命率は98%に達している。新型コロナ患者を受け入れている施設同士で症例を共有しながら、より効果的な治療法が確立されてきているのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された