紅蘭さんは今年も2つ…ポリープの対処法は大腸と胃で異なる
ただ、遺伝性が明らかなのは家族性大腸腺腫症とリンチ症候群で、若くして発症するのが特徴です。リンチ症候群は、大腸がんだけでなく、小腸がん、卵巣がん、子宮がんなども合併することもあります。
1センチのがんやポリープが2センチになるには1~2年かかるので、毎年の検査を継続することが大切です。一部の大腸がんは、正常な粘膜から腺腫を経ずに、直接腫瘍になることもまれにありますから。
日本の大腸がん検診は毎年2回の検便が一般的です。簡単な検査で、進行大腸がんの90%以上、早期大腸がんの5割、腺腫などのポリープの3割を発見できます。意外と侮れません。
米国はもっと踏み込んでいて、大腸全体を内視鏡で診る「全大腸内視鏡検査」です。がんそのものの早期発見のほか、腺腫を見つけて切除できるため、大腸がんの発症を抑えます。
10年に1度の検査間隔で、2016年の報告では50歳と75歳で過去10年に検査を受けた人の割合は6割と高い。その結果、大腸がんの死亡率は過去40年で半減。日本の人口は米国の4割以下ですが、18年の日本の死亡数は5万3500人で、米国の予測値5万630人を上回っています。米国の予防医学が勝利した一例でしょう。
胃のポリープで多くを占めるのは、胃底腺ポリープで、ピロリ菌感染のない健康な胃にできるもの。胃がんにならないサインとさえいわれ、私もあります。恐れることはありません。