坂本昌也
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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

寝汗、悪夢、起床時の頭痛、高血糖は夜間低血糖の疑いあり

公開日: 更新日:

 今回は「夜間低血糖」について取り上げたいと思います。

 低血糖は、冷や汗、ふるえ、動悸などの症状から始まり、目まいや集中力低下が表れ、さらに低血糖状態が続くと意識レベルが低下。意識消失、異常行動、けいれん、昏睡に至る――この連載で紹介しました。

 大事なのは、意識レベルが低下する前にブドウ糖などを摂取すること。同居するご家族がいる場合は、ご家族も低血糖への理解を深めること。一緒にいる時に糖尿病患者の意識レベルが低下した状態になったら、点鼻グルカゴンを鼻にシュッとするなど、速やかに適切な行動を取ることが低血糖の重症化予防につながります。

 ところが、本人も周囲も低血糖が出てきた時に何の対策も講じられないタイミングがあります。それが夜間低血糖で、睡眠中に起こった場合、眠っていて低血糖に気づかず、補食(血糖値を上げるお菓子などを食べること)やブドウ糖摂取ができません。

 同じベッドで寝ている家族も気づきづらい。糖尿病罹患歴が長いと、夜間低血糖を起こしやすくなります。統計は出ていませんが、夜間低血糖で亡くなっている人はかなり多いと思います。

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