子供の斜視の手術は難しいものなのでしょうか?費用は?
乳児性の場合、遺伝のほかに脳腫瘍などで脳の神経が異常をきたし、筋肉が機能していなかったり、両目に白内障があって視力が発達していないために斜視となるケースもあります。脳腫瘍などで、そもそも筋肉が機能していない場合は、筋移植が必要で、費用は最高でも19万円前後(3割負担の場合は5万7000円程度)でしょう。
ただし、手術は一度行えば万全とは言えません。十数年経って再び目の位置にズレが起きることはあります。再手術のリスクを避けるには、術後も遅くとも10歳までに適切なリハビリを受けて、視力を正常に戻しておく必要があります。
そのため、術後は「視能訓練士」の国家資格を持つ専門家が付いて、弱視の訓練をします。たとえば、矯正用眼鏡を掛けて網膜の中心部にピントを合わせることで、視機能の発達を促したり、視力の良い方の目をアイパッチ(眼帯)で隠して片方の目のみを集中的に使う訓練を行います。
最終目標は、両目で見た像をひとつに統合する“立体視”で物を見られるようにすること。斜視の子供は右目と左目を別々に使っていたため、立体的に見るのが難しいのです。