ワクチン先進国の感染者の高止まりは「気の緩み」が原因?
接種が始まった1月16日に新規感染者数が1万5144人だったインド(人口13・5億人)は3月10日には2万人を突破。25日には5万9118人となった。同じく1月から接種が始まったブラジル(人口2・1億人)は2月1日に2万4591人だった新規感染者数が3月25日には10万158人になっている。
こうした状況を受け、世界的に権威のある医学雑誌である英国医師会発行の「BMJ」の投稿欄に英国在住の科学者から「インドはワクチンや封鎖なしで新型コロナウイルス感染症をほぼ管理したため、世界的な注目を集めていた。にもかかわらずワクチン接種が始まって1カ月ほどして感染者が増え始めた。インドの近隣諸国であるパキスタン、バングラデシュでも増えている。ブラジルでも同様の傾向がある。しかし、科学者たちは、冬が過ぎた最近の時期の突然の急増の明白な原因を特定することができていない。人口密度の高い開発途上国では緊急の注意が必要だ」との投稿が寄せられた。
■ワクチンが変異株を拡大させたとの見方も
重症化ばかりか感染抑制にも力を発揮するといわれるワクチンを接種しているのに、どうして新規感染者が思うように減らないのか。