正しい「昼寝」を極めれば睡眠負債はしっかり返済できる
また、深部体温(内臓や脳など中心部の温度)のリズムにも注意が必要だ。深部体温が高いと体が動くようになり、逆に下がれば下がるほど体がだるく眠気を催す。個人差はあるが、一般に深部体温は起床から11時間かけて上昇し、16時間後からは下降がスタートする。朝6時に起床している人は午後5時にピークを迎え、午後10時に下がり始める。夜に眠くなると手が温かくなるのは、放熱して体温を下げようとしている表れだ。
「深部体温が高い午後3時以降に昼寝をするのは逆効果です。夜間に体温を下げて心地よい眠気と質の高い睡眠を誘発するメラトニンの分泌を低下させてしまいます。睡眠負債を返済するためにも、昼寝は午後3時までに済ませましょう」
昼寝の有効性が浸透していない日本では、勤務中に堂々と昼寝するわけにもいかない。ただ、午後2時前後にデスクで15分ほど目を閉じて仮眠するくらいなら実践できる人も多いはず。
帰宅の電車で隣の駅に着くまでの間に眠ってしまったり、会議中など公の場で寝落ちしてしまうような人は、睡眠負債がたまっている。正しい昼寝で早めに返済したい。