ワクチン接種前の「準備」や「接種後の検証・広報」は十分なのか
政府はワクチン接種に躍起だ。厚労省は不足していたワクチンを確保したとして3600万人の高齢者への2回目接種を7月末までに終えるよう、各自治体に要請。東京と大阪では国営の大規模ワクチン接種会場を設置し、自衛隊の医官や看護官により1日1万人規模の接種を行うという。神戸市は歯科医師も動員して1日1000人以上の接種を目指すことを発表した。
しかし、大規模接種会場を設けることは新たな「人流」と「密」を発生させ、新たな感染源になりかねないなど、実行には問題山積だ。
そもそも政府は接種数ばかりを気にしているが、接種前の「希釈」「充填」作業は大丈夫か。
「現在接種されているファイザー製ワクチンはマイナス90~60度で保存され、2~8度の冷蔵庫で解凍した場合は5日以内に生理食塩水で希釈して投与します。希釈後は2~30度で保存し、6時間以内に使い切らなければなりません。冷蔵庫を使わずに室温解凍なら2時間以内に希釈して投与することになっています。むろん、ワクチンを注射器に正確に充填しなければ予定人数に打てません。それらが正しく行えるのか心配です。下手をすればせっかくのワクチンが無駄になりかねません」(都内の薬剤師)