著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

養老孟司が心筋梗塞に 医者嫌いが頼りにする「身体の声」

公開日: 更新日:

 その中身は共著に譲るとして、興味深いのは受診のキッカケです。養老先生は、「『身体の声』は病院に行くことを勧めているようでした」とつづっています。「身体の声」の正体となる症状は、1年で15キロの体重減少のほかは元気がない、やる気が出ないといった不定愁訴で、特に「受診日の直前3日間はやたらと眠くて、猫のようにほとんど寝てばかり」だったそうです。

 80代でヘビースモーカー、がん検診を受けたことがないことから、私がまず注目したのはがんでした。がんは、正常細胞に必要なエネルギーを横取りして増殖するため、進行すると痩せます。しかし、喫煙による軽い肺気腫を認めたものの、がんはなし。

 一方、心電図には、わずかに心筋梗塞を示す波形が見られたため、心臓の血管を養う冠動脈の血管造影検査を追加したところ、心筋梗塞と診断されたのです。

 一般に心筋梗塞は、強い胸の痛みがあります。それがなかったのは、糖尿病だったためです。その点は先生も自覚していましたが治療をしていなかったため、合併症のひとつである神経障害を起こし、痛みがマヒしていたと考えられます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭