線虫がん検査<上>検体解析装置の完全自動化で実用化が可能に

公開日: 更新日:

 においをキャッチする嗅覚受容体様遺伝子(センサー)は、人間では約400種類、嗅覚に優れていることで知られる犬が約800種類、シー・エレガンスは、さらに多い約1200種類を持っているという。

 このようにN―NOSEは、受検者の尿でがんのリスクを調べる「がんの1次スクリーニング検査」になる。具体的には、シャーレ(容器)の中央に50~100匹の線虫を配置し、シャーレの片側に希釈した尿を置く。30分間静置させ、線虫の行動を解析する。これを同一の尿で複数回繰り返し検査する。

 これまで手作業で行っていた工程の完全自動化に成功したことで、線虫がん検査の実用化が可能になったわけだ。

「線虫が反応することが分かっているがん種は、胃、大腸、肺、乳、膵臓(すいぞう)、肝臓、前立腺など15種類の固形がんで、1度の検査で全身のがんリスクを調べることが可能です。検査の精度は臨床研究において、感度86.3%という結果を得ています。ステージ0や1の早期がんでも高い感度で反応します」

 次回は同社が全国展開を始める、自宅にいながら線虫がん検査が受けられる新サービス「N―NOSEathome」を紹介する。

【連載】コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出