若手医師の手術指導はまず初歩的な手技の習得度を把握する
たとえば、心臓弁膜症の手術で患者さん自身の弁を修理する弁形成を行う際は、処置する弁がしっかり見えるように心臓を切開しなければなりません。それを若手にやらせてみて、適切な場所を切開しているかどうかをチェックします。ずれた場所を切開していると、その後に処置する弁形成がやりづらくなってしまいます。実際の手術の中で若手に最適な手順を把握させるのです。もちろん、指導医はリカバリーの準備を万全にしていますし、若手が処置にてこずりそうな場合には執刀を代わります。
こうした実践指導を繰り返し、こちらが黙って見ていられる状況が8~9割くらいになれば、指導医を外して執刀を任せても問題ないと判断します。この時点で“ひとり立ち”の第一歩といえるでしょう。
次回、若手の指導について、さらに詳しくお話しします。
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