著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

予備軍の中でも脳卒中・心筋梗塞のリスクがより高い人は?

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 一方で、比較的リスクが低めなのは、高血圧脂質異常症がなく、家系に高血圧患者がいなくて、空腹時だけ血糖値が少し高くなる人です。同じ糖尿病予備群であっても、危険度が大きく異なってきます。

 脂質異常症または高血圧かどうか、家系に糖尿病患者がいるかは、すぐにチェックできます。問題は食後の血糖値です。

 血糖値の高さを確認する代表的な検査は、空腹時血糖値、75グラム経口ブドウ糖負荷試験、HbA1cがあります。健康診断も人間ドックも、基本的に血糖値は空腹時に測定します。食後の血糖値を知るには、75グラム経口ブドウ糖負荷試験を改めて受ける必要があります。

 これは、検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測定し、その後にブドウ糖75グラムを水に溶かしたものを飲んで、30分後、1時間後、2時間後に血糖を測定する検査です。

 この検査で、食後の血糖値の上がり具合、インスリンの分泌はどうかなどを調べることができます。


 日本人は欧米人と異なり、食後の血糖値が高い人が多いといわれています。だから食後の血糖値のチェックはとても重要なのですが、一般的な健診では空腹時血糖値しか見ません。だから、食後の血糖値が高くても「異常なし」となってしまうこともあり、かつては「隠れ糖尿病」とも呼ばれていました。

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