予備軍の中でも脳卒中・心筋梗塞のリスクがより高い人は?
一方で、比較的リスクが低めなのは、高血圧や脂質異常症がなく、家系に高血圧患者がいなくて、空腹時だけ血糖値が少し高くなる人です。同じ糖尿病予備群であっても、危険度が大きく異なってきます。
脂質異常症または高血圧かどうか、家系に糖尿病患者がいるかは、すぐにチェックできます。問題は食後の血糖値です。
血糖値の高さを確認する代表的な検査は、空腹時血糖値、75グラム経口ブドウ糖負荷試験、HbA1cがあります。健康診断も人間ドックも、基本的に血糖値は空腹時に測定します。食後の血糖値を知るには、75グラム経口ブドウ糖負荷試験を改めて受ける必要があります。
これは、検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測定し、その後にブドウ糖75グラムを水に溶かしたものを飲んで、30分後、1時間後、2時間後に血糖を測定する検査です。
この検査で、食後の血糖値の上がり具合、インスリンの分泌はどうかなどを調べることができます。
日本人は欧米人と異なり、食後の血糖値が高い人が多いといわれています。だから食後の血糖値のチェックはとても重要なのですが、一般的な健診では空腹時血糖値しか見ません。だから、食後の血糖値が高くても「異常なし」となってしまうこともあり、かつては「隠れ糖尿病」とも呼ばれていました。