かつて治療した「銀歯」は放っておくとトラブルの原因になる
冷たいものを飲むと痛みが…
暑い夏、冷たい飲み物を口に入れるたび、ズキンと奥歯に痛みが走る。気になって歯科医院で診てもらうと、かつて治療した「銀歯」が原因だった――。こんなケースが増えているという。思い当たる人は、銀歯の状態をしっかりチェックしたい。小林歯科医院の小林友貴氏に詳しく聞いた。
治療はしっかり終わっているからと安心していた銀歯が、年月を経てトラブルを起こすケースは珍しくないという。
「現在、健康保険の適用範囲内で一般的に使われている銀歯は、パラジウム合金という金属です。銀だけでなく、パラジウム、銅、金、亜鉛、スズ、インジウム、イリジウムといったさまざまな金属が含まれています。硬くて強度が高い特徴がありますが、金属なので年月が経過すると唾液などの影響で徐々に溶け出したり、細かな傷がついたり、すり減るなどして劣化していきます。すると、詰め物と歯の間に隙間が生まれ、そこから細菌が入り込む。0.7マイクロメートルの隙間があれば細菌は侵入できるといわれているので十分な隙間です。細菌が侵入するのは銀歯の下で歯ブラシは届きません。それで銀歯の下が虫歯になってしまうのです。そうなると、冷たいものを飲んだときの刺激や、食事をしたときに銀歯が沈んで受ける衝撃によって、痛みが出るようになります」