かつて治療した「銀歯」は放っておくとトラブルの原因になる
また、金属が溶けだすことで金属アレルギーを起こす患者もいる。かつて治療した銀歯がさまざまなトラブルのもとになってしまうリスクがあるのだ。
銀歯そのものだけでなく、詰め物と歯を固定している「接着剤」も隙間ができる原因になる。
「保険適用の範囲内で使われる接着剤は接着力がそれほど高くありません。そのため、そもそも削った歯に詰め物がぴったり合っている患者さんは少ないといえます。また、そうした接着剤は粉剤といって粉末と液体を混ぜて使うタイプがほとんどなので、時間が経つと唾液などの影響で溶けやすく、隙間が生まれてしまいます」
■耐用年数は平均5~7年
実際、銀歯の色が目立つからと、白いタイプのかぶせ物への変更を希望した患者の銀歯を外してみると、痛みはないのに銀歯の下が虫歯で真っ黒になっていた……というケースは少なくないという。
「保険適用の銀歯の耐用年数は、一般的に平均5~7年程度だといわれています。もちろん個人差があるので20年近く問題ない人もいますが、子供の頃に治療で入れた銀歯がそのままになっている人は、外して虫歯になっていないかどうかを確認し、詰め直すことをおすすめします」