新型コロナウイルス「動物間」での感染拡大はなぜ怖いのか
不気味なのはこの新型コロナウイルスは変異株が登場するたびに乗り越える種が増えているように見えることだ。
米疾病対策センター(CDC)が初めてペットの猫の新型コロナ感染症を確認した、と報じられたのは昨年4月22日。
米国でペットの犬の感染が報じられたのはその1週間後の4月29日だ。
飼育されているトラやライオンの感染も報じられたが、あくまでも人から動物への感染はあっても動物から人への感染の例はなかった。ところが昨年5月20日にはオランダの農場で従業員がミンクから新型コロナウイルスに感染したとみられる事案が報じられた。
また、新型コロナウイルスの動物感染は飼育動物に限られていたが、昨年12月には野生のミンクへの感染が確認された。
そして、今度はデルタ株によるビーバーへの初感染である。
「現時点では牛・豚・鶏のような代表的な家畜に感染したという報告はないし、動物から人への感染はミンク以外に報告されていません。ですから、いますぐ何かあるというわけではないと思います。しかし、新型コロナが飼育動物から野生動物にまで広がってしまうと簡単には新型コロナウイルス感染症は根絶はできなくなる。いくら人の間での感染の連鎖を止めても、動物間での感染が続けば、新たな変異株が誕生して人への感染が始まらないとも限りません。その意味で、新型コロナウイルス感染症を人間だけの問題と考えるのは危険ではないでしょうか」