スマートウエアを用いた「hamon」でストレスや疲労度を計測
体に身に着けて使用できるタイプの端末のことを「ウエアラブル端末(デバイス)」という。そして、シャツのような「着るウエアラブル端末」を「スマートウエア」と呼ぶ。
そのスマートウエアを用いて生体情報を取得し、企業の従業員らの体調管理に役立てることができるのが「hamon(ハモン)」だ。開発したのは繊維・ウエアラブルIoT企業「ミツフジ」(本社・京都府)。どんなヘルスケア・システムなのか。同社・プロダクト部の松本健志主任が言う。
「hamonのスマートウエアには、胸の部分に『銀メッキ導電性繊維』が編み込んであります。そこが電極となり、ウエアに装着した小型トランスミッターから心拍の波形データが、ブルートゥースでスマホアプリに送信されます。そして、アプリ内のアルゴリズムで解析された4項目の体調に関するリスクがスマホ画面に表示されます。これらの解析結果は、すべてクラウドにより管理者画面で遠隔モニタリングができます」
解析で利用しているアルゴリズムは、産業医科大学などと共同開発したもの。4項目のリスクとは、「ストレス度」(100段階)、「眠気」の有無、「体調(疲労度など)」と「暑熱(熱中症)」のリスクが3段階で表示される。また、トランスミッターに内蔵された加速度センサーによって、「転倒」の検知もできるという。
hamonの導入事例として、中学校や建設会社の熱中症対策、航空会社の客室乗務員のストレス対策、菓子製造工場でのストレスマネジメントなどに活用されている。