整体が回復のきっかけに…作家の今野敏さんパニック障害を語る
パニック障害の人は、無意識に体がいつも緊張しているんだと思うのです。バリバリに筋肉が硬直するので呼吸が浅くなって、息苦しいような気がするし、身体的にもいろいろな障害が出る。だから精神はとりあえず放っておいて、体をほぐすことを考えてもいいと思います。筋肉がほぐれると気分が変わり、身体的にも好循環が生まれます。パニック障害の人は試してみる価値はあると思いますよ。
■病気というよりもともとの「タイプ」
仕事の面でパニック障害が支障になったかと言えば、それは皆無です。内省的になるので、むしろ作家にとって神経症は悪くない。普通の人が気づかない自分の心の動きに気づけるので、物書きにとっては必要な資質とも言えます。パニック障害のような神経症の人は、作家になればいいんじゃないかな(笑い)。
パニック障害や神経症は病気というより、もともとの「タイプ」だと思います。それがある時期、いろいろなことが物理的に重なることによって急に表面化するのではないでしょうか。私の場合もきっかけはわかりません。これといった精神的ダメージがあったわけではなく始まりました。そして10年ぐらいは不自由な生活をしました。「一生このままかもしれない」と思っていた時期もありました。でも、「どんなことでも良くなるんだな」と今改めて思います。