新型コロナワクチン副反応を徹底検証【心筋炎】炎症が広がると心不全を合併するケースも
「また、炎症が心膜に及ぶと心膜炎になったり、炎症が心臓全体に広がると心不全や不整脈を引き起こし、突然死を招く可能性があります。心筋炎が数カ月たっても軽快せず慢性化すると心臓が肥大拡張して心筋症につながるケースもあります」
■治療は薬物による対症療法が中心
軽症であれば、そのまま経過を観察して治癒を待つ。炎症が強い場合は、過剰な免疫反応と炎症を抑えるためにステロイドが投与されるケースもある。ステロイドを使う際は、炎症を引き起こしているウイルスの量がある程度減ってからでないと、逆に回復が遅れてしまうため注意が必要だという。
「心機能が落ちて心不全を合併したケースでは、薬物療法が行われます。交感神経を抑えるβ遮断薬、降圧薬でもあるACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)といった薬を基本として、利尿薬が使われることもあります。また、不整脈を合併している場合は、抗不整脈薬を使って治療します。いずれにせよ、ウイルス性心筋炎そのものを治療するわけではなく、合併する心不全や不整脈への対症療法が中心です」