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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【結核】耐性菌の出現を防ぐため複数の抗結核薬を併用する

公開日: 更新日:

「結核」は結核菌という細菌に感染することで発症する病気です。空気感染、飛沫感染といった経路により感染します。肺に感染して症状を引き起こす場合が多いので、咳や痰が主な症状として知られています。

 欧米の先進国は、結核罹患率が人口10万人あたり10人以下の「低蔓延国」になっているのに対し、日本は2018年においても人口10万人あたり12.3人と、いまだ「中蔓延国」の位置づけです。

 結核により毎年2000人前後の死亡者が出ており、今もわが国において重大な感染症であることに変わりはありません。

 結核の症状は、2週間以上持続する咳を認めるケースが多く、体重減少や全身の倦怠感が表れることもあります。ただ、症状がはっきりしない場合も多く、そのため診断や治療が遅れてしまうケースも少なくありません。

 抗結核薬を単剤で使う治療は耐性菌の出現を招くリスクがあるため行われず、必ず複数の抗結核薬を併用して治療を行います。治療は長期間を要し、6~9カ月にわたって内服するのが一般的です。近年は「ニューキノロン系抗菌薬」の抗結核作用が注目されていて、複数の抗結核薬のひとつとして選択される場合もあります。

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