HPVワクチンの積極的推奨を再開 “失われた8年”に生まれた女性のがんリスク
子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症するため、ワクチンでブロックすれば、発症を抑えることができます。予防の要のワクチンが、日本では2013年の副反応問題によって積極的な接種が中止に。深刻な事態でしたが、厚労省の専門部会は12日、HPVワクチン接種の積極的な勧奨を再開することを決定したのです。
HPVワクチンは公費助成の対象で、小学6年から高校1年生は無料で接種できます。半年で3回接種する一方、コロナワクチンとは2週間の間隔が必要。これらのスケジュールの調整もあるので、周りに対象者がいる場合は、なるべく早く接種するように説明するとよいでしょう。
このウイルスは、性交渉で感染するため、なるべく初体験を済ます前に接種する方が効果的といえます。
スウェーデンで女性167万人を対象に行われた研究によると、17歳未満で接種した場合は子宮頚がんの発症リスクを9割下げますが、17歳以上30歳未満だと5割にとどまりました。
英国の調査も同様で、12~13歳での接種なら、発症リスクは87%低下しましたが、14~16歳、16~18歳では、リスクの減少幅はそれぞれ62%、34%と少なくなっているのです。