著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

HPVワクチンの積極的推奨を再開 “失われた8年”に生まれた女性のがんリスク

公開日: 更新日:

 子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症するため、ワクチンでブロックすれば、発症を抑えることができます。予防の要のワクチンが、日本では2013年の副反応問題によって積極的な接種が中止に。深刻な事態でしたが、厚労省の専門部会は12日、HPVワクチン接種の積極的な勧奨を再開することを決定したのです。

 HPVワクチンは公費助成の対象で、小学6年から高校1年生は無料で接種できます。半年で3回接種する一方、コロナワクチンとは2週間の間隔が必要。これらのスケジュールの調整もあるので、周りに対象者がいる場合は、なるべく早く接種するように説明するとよいでしょう。

 このウイルスは、性交渉で感染するため、なるべく初体験を済ます前に接種する方が効果的といえます。

 スウェーデンで女性167万人を対象に行われた研究によると、17歳未満で接種した場合は子宮頚がんの発症リスクを9割下げますが、17歳以上30歳未満だと5割にとどまりました。

 英国の調査も同様で、12~13歳での接種なら、発症リスクは87%低下しましたが、14~16歳、16~18歳では、リスクの減少幅はそれぞれ62%、34%と少なくなっているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース