大腿骨頭壊死症で引退…元オリックス西浦颯大さんが苦闘を語る
復帰は難しいと言われたものの、なぜか全然へこんではいませんでした。それどころか「ここから復活したらカッコよくない?」と思って、逆に頑張ろうかなと思えたのです。
受けた治療は「大腿骨頭掻爬骨移植術」でした。骨盤から骨を取って、大腿骨頭へ移植するという手術です。2020年11月に左股関節、翌年2月に右股関節を手術しました。骨頭にドリルで穴をあける手術なので、術後はジンジン、ズキズキという痛みがずっと続きました。でも、痛みより寝返りできないことのほうがきつかったですね。10日間ずっと上を向いて寝ていたんです。
やっと自分で寝返りができるようになったのは1カ月後ぐらい。できない間は看護師さんが2人がかりで寝返りさせてくれるんですけど、忙しくて大変そうだし、ときどき来てくれても「大丈夫です」と言って断っていました。自分、タフなんで(笑い)。
立ち上がれたのは術後1カ月半後ぐらいだったと思います。人の手を借りて平行棒につかまって歩くリハビリを始めました。あまり何も考えていなかったですね。とにかく先生の指導に従って、自分のやれることをやっていました。つらかったことを挙げるとすると、おいしいごはんが食べられなかったことぐらい(笑い)。