著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

自分をうまく動かすコツを知って怒りや不安に上手に対応しよう

公開日: 更新日:

 また、「自分ごと」として捉えることは、共感能力の向上にもつながります。共感する力は、人間が自分を守ると同時に、他人と心を分かち合い、社会生活をうまく行っていくために獲得した尊い能力です。ただし、自分に全然関係ないことも自分ごととして考えてしまう人がいるので、そうならないように注意が必要です。

 たとえば、思考実験として、物事を自分のせいだと考えて「どうすれば解決できるだろう」と試行錯誤するのは自分の成長のためにも素晴らしい。しかし、自分は一切悪くないのに、自分を責め続けて精神的に調子を崩してしまったら、本末転倒ですよね。

 また、「自分が悪い」と思ってしまうのは、理想の高さが原因の可能性もあります。高い理想があるために、それとはギャップの大きい結果になってしまったとき、自責の念に駆られてしまいます。そのような場合にお勧めしたいのが、「セルフ・コンパッション」という方法です。

 セルフ・コンパッションは、もともと仏教における「自分をあるがまま受け入れる」という考えをベースにしていますが、今日ではさまざまな研究の臨床データを集めて、心理学的な見地から有用な方法論として発展させたものです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…