どんな人が「痔」を繰り返すのか…手術のタイミングは?
ただし、再発の可能性もありますし、指で押しても簡単に戻らなかったり、脱出したままなら「結さつ切除術」によっていぼ痔を根元から切り取って、縫い合わせます。3割負担で相場は2万~3万円ですが、別途麻酔費や入院の場合は入院費用も伴います。
一方、切れ痔の場合は、傷を治す保存療法が基本になります。ただし、慢性化すると切れた部分がしこりのように硬くなって、肛門狭窄になります。排便が困難になったり、痛みがひどかったりすると肛門の狭くなった部分を拡げる「用手肛門拡張術」、切開する「内括約筋側方皮下切開術」が必要になります。局所麻酔で日帰り手術が可能です。3割負担で2万~3万円が相場です。
最後に「痔」を繰り返す方には生活習慣の見直しも伝えています。排便時間は「5分以内」を心がけてください。肛門は便座に座るだけで負担がかかります。排便しながら雑誌、新聞、スマホを見ている方は、それをやめるだけで負担が軽減します。
また、排便は必ず毎朝する必要はありません。痔を繰り返す患者さんに聞くと、「便意を催さないのに毎朝、習慣でいきんでいる」と答える方が多い。これも肛門に大きな負担をかけています。
▽白畑敦(しらはた・あつし)2002年に昭和大学医学部卒業後、07年に昭和大学藤が丘病院消化器外科助教、その後、関東労災病院外科、横浜旭中央総合病院外科、昭和大学藤が丘病院兼任講師などを経て、現在はしらはた胃腸肛門クリニック横浜院長を務める。