性感染症編(1)80代の患者も…思い当たる出来事があればすぐ検査を
とはいえ、大抵の60代は感染の不安を抱えながらも検査を受ける勇気がないという。
「これが最も問題です。感染に気づかないうちに大事に至る場合がある。典型は“いきなりエイズ”です。自分がHIVに感染していることに気づかずに、エイズを発症してから気づくことです。ご存じのように、エイズはHIVに感染して発症しますが、感染後すぐ発症するわけではありません。治療せず放置していて無症状期間を経て発症するのです。ですから、60歳を過ぎていきなりエイズを発症するケースも多いのです」
こうした悲劇を起こさないためにも、心当たりがある出来事があれば、まず検査を受けるべきだと尾上医師は言う。
「健康診断で血液検査を受けているから大丈夫という人がいますが、間違いです。性感染症の検査は極めてプライベートなことなので、オプションとして個人が選ばなければ健康診断では検査しません。恥ずかしくて検査を受けたくない、という人は郵送検査を受けるのも手です」