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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

健康寿命という点では「実家通いの就職」が男子の勝ちパターン 医療情報学教授が語る

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所得格差は健康格差③

 いまの大学生で気になることのひとつは、就職先として、実家から通える会社を希望する男子が増えていることだ。

 私が勤めているような地方大学では、地元の会社は数も業種も限られているため、学んだことを生かそうとすれば、東京や大阪、名古屋などの大都市に出るしかない。もちろん、そうする学生はいまでも大勢いる。しかし、学んだことを生かせなくても、あえて地元企業を目指す男子が増加傾向なのである。

 まず経済的理由が考えられる。

 実家から出て、都会で暮らそうとすると生活水準が確実に下がる。独身寮がある会社ならまだしも、自分で部屋を借りるとなれば、家賃・光熱費・スマホ通信料だけで、給料の半分以上が飛んでしまう。実家にいれば、家賃も光熱費もネット代もかからない。家にいくらか入れるにしても、金額はたかが知れている。中には、実家通勤なら親からクルマを買ってもらえるという学生もいる。これではなかなか都会に出ようという気が起こらないはずだ。

 それだけでなく、実家暮らし健康面でのメリットも大きい。慣れない都会で1人暮らしとなれば、ストレスがたまるし、食事や生活が不規則になる。とくに入社数年間は給料が低いため、食費を節約せざるを得ず、栄養が炭水化物と脂質に偏ってしまう。

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