健康寿命という点では「実家通いの就職」が男子の勝ちパターン 医療情報学教授が語る
もちろん、結婚しないまま実家暮らしを続けていれば、親が先に亡くなり、最後は自分ひとりになってしまう。とはいえ、いまどきの高齢者、とくに母親は元気で長生きが多い。50代や60代の息子に食事を作り続けている母親も、少なくない。そのため息子のほうは、かなり年配になるまで家事から解放され、バランスのいい食事を取れ、しかも家賃や光熱費も安く(家庭によってはタダで)済む。実家を建て直して、その費用まで親任せという独身息子も少なくないらしい。
それでも親は、息子の面倒を見なければならないので、気が張って、元気に生活できる。また息子は、将来的に親を介護し、看取ることになるから、自分の体調や健康には単身者よりも気を使うはずだ。こうしてウィンウィンの関係が成り立ち、親子とも長生きできるわけである。
■女性の健康リスクは結婚に左右されない
そういうことを考えると、所得が低く抑えられているいまの時代、実家から通える会社に入るのが、男子にとっては健康寿命という点では勝ちパターンと言えそうである。