「石灰沈着性腱板炎」には消炎鎮痛剤 痛みが強いままなら内視鏡手術
このように保存治療では日常生活に激しい支障をきたすケースでは、内視鏡手術という選択肢もあります。腱板を最小限に切開して、中の石灰をかき出すのです。石灰は確実になくなり、痛みの消失も良好。ただし完全な石灰摘出のため、腱板に断裂が残るので、最後に腱板修復を要することがあります。
また、硬い石灰で、薬注射で難渋している患者さんの中には、「自費でもいいから、手術の前に何かほかの治療法はないか?」という方もいます。その場合、体外衝撃波療法という治療法があります。1980年に腎結石治療で臨床適応されましたが、石灰沈着性腱板炎においても、石灰巣の破砕と除痛に対し効果があるとの報告があります。
ただし現時点では、石灰沈着性腱板炎への保険適用は認められておらず、自由診療(自己負担)であり、大学病院など限られた施設でしか行われていません。