糖尿病・高血圧・脂質異常症は、なぜ脳にもダメージ与えるのか?
動脈硬化で血管がもろくなれば、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全、脳では脳梗塞、脳出血などの脳血管障害を引き起こします。血管性認知症になりやすいこと、アルツハイマー病になるリスクが高まることも、報告されています。
■高齢になってからの対策では不十分
40代、50代くらいですと、認知症についてはまだまだ先というイメージがあるかもしれません。もうちょっと年を取ってから対策を講じても遅くないのでは--? そう考えている人もいるでしょう。
しかし、糖尿病は「発症後10年以内なら、肥満を解消し肝臓と膵臓に蓄積した脂肪を減らすだけで、糖尿病が『治った』と同じ状態(=寛解)を維持できる」という発表があります。言い換えれば、早い段階で生活習慣を改善し、脂肪を減らさなければ、寛解が難しい。
また、中高年の時に高血圧を放置していると、高齢になってから認知症になる確率が高まることがわかっています。
さらに脂質異常症に関して、40~60代で高コレステロール血症(LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが高い)になり、そのまま放置していると、アルツハイマー病になりやすいことが明らかになっています。高齢になってから脂質管理を始めても、認知機能の低下を防ぐ効果は得にくいとされているのです。認知症対策は、すなわち生活習慣病対策でもあるのです。