咳、痰、息苦しさ…それらの症状なら呼吸器疾患「COPD」の可能性あり
COPDは自然に治る病気ではない。破壊された肺胞は元に戻らないので、治療が遅れるほど悪化する。年間の増悪(呼吸困難などの症状の悪化)の回数が多いほど死亡率が高くなることは研究で明らかで、増悪が3回以上の患者では、0回と比べて死亡率は4.3倍。重度の増悪を起こすと、22%が1年以内に死亡している。
次に、併存症が多いのも問題だ。COPD患者のほとんどが心疾患、糖尿病、脂質異常症、骨粗しょう症といった併存症を持ち、4つ以上の併存症状を持つ人は半数を上回るといった報告がある。肺がんのリスクも高める。
■治療に漢方薬を使うケースも
「フレイル(虚弱)も招きます。COPDは動けば動くほど息が苦しいので、動かなくなる。すると運動能力が低下し、骨格筋が衰え、ますます動いた時の呼吸困難が悪化し、抑うつ状態となって生活の質が下がる」
COPDになると呼吸機能の低下をカバーするため、呼吸筋を一生懸命動かすようになるので呼吸にかなりのエネルギーを使う。健康な人で呼吸に使うエネルギーは1日50キロカロリーだが、COPDでは500~600キロカロリー。加えて、膨張した肺が胃袋を圧迫し食欲不振となる。エネルギーを使う上、食べられないのだからフレイルが一層進む。