敗血症の人の「目」はどうなるのか? 糖尿病、がんなどリスクの高い人は要注意
感染源は呼吸器感染症が約41%と最多で、臓器障害としては呼吸不全が17年には約82%を占めた。入院期間の中央値は約30日で院内死亡率は約20%。入院患者全体に対する敗血症患者の年間割合は10年の約3%(約11万人)から17年の約5%(約36万人)に増加している。敗血症が原因で死亡する人数も17年は約6万人と、10年から約2.3倍。ただし、敗血症患者の死亡率は10年の約25%から17年の約18%へと減少しているという。
敗血症の原因となる代表的な細菌は連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌など。こうした細菌に感染すると、まず皮膚が化膿したり、肺炎や胃腸炎、大腸炎などの感染症を引き起こす。その後、免疫力の弱い人では血液に菌が入って敗血症が起こりやすい。
敗血症は細菌以外にもカンジダなどのカビ(真菌)や、サイトメガロウイルスなども原因となるケースがある。
「つまり、敗血症は誰もがかかる身近な病原体で起こるわけで、敗血症のリスクのある人はその症状を知っておく必要があります。敗血症の特徴的な症状は発熱や血圧の変動です。障害を受ける臓器により異なる症状があらわれます。初期には悪寒、全身のふるえ、発熱、発汗などがみられますが、これは他の疾患でもみられる症状なので鑑別が難しい。進行すると心拍数や呼吸の増加、播種性血管内凝固症候群、血圧低下、排尿困難、意識障害などを起こし、さらに重症化すれば敗血性ショックを起こしますが、そうなると治療は難しくなります」