ほんの小さな音も脳を刺激して生活を豊かにしてくれる
世の中には音があふれています。小鳥のさえずりや蜂の羽音、人間同士の会話、さらには自動車のエンジン音に建設現場の槌音(つちおと)と、音は日常生活を豊かにしてくれます。
もちろん、そんな音が聞こえなくても生活に支障はない、と考える方もいらっしゃるでしょう。でもそんな音を聞くことで脳は刺激を受けます。虫の声や木々のざわめきといったかすかな自然の音は心の安らぎにつながるかもしれません。
先日、2世帯住宅に娘家族と同居されている88歳の男性が、ご夫婦でお店にご相談に来られ、補聴器を購入されました。
聞こえが良かった時は、よくラジオで野球や競馬中継を聞いていたのですが、ここ数年はそれもしなくなり、家のインターホンも聞こえないので家に荷物の配達員が来ても気が付けない。家の中だけでなく外出時の動きも次第に緩慢になり、反応も鈍くなり始めたといいます。ご家族も、男性に話しかける際には大声を出さなければならず、会話はおいてきぼりにされがち、とのこと。
それが補聴器を購入後は、調整していくうちに音に慣れ、聞こえが改善されると、次第に日常生活の中で久しく忘れていた小さな音を聞く新鮮な体験をするようになったといいます。