2023年も梅毒急増が止まらない…高まるリスク「いきなりエイズ」に要注意
「4月から新型コロナが現在の2類からインフルエンザ並みの5類になることが話題になっていますが、そうなると自粛していた夜のお遊びが増えて性感染症患者が増えるかもしれません。いまは20代の女性を中心に梅毒感染が広がっていますが、その原因となる性感染症についての無知・無理解や貧困は解決しておらず、新規感染者数も一向に衰える様子はありません。今後が心配です」
尾上院長がとくに注目しているのは、若い男女の知識・情報不足だ。梅毒は初期症状があり、比較的わかりやすい性感染症だが、それすら知らないという。
「アダルトビデオ以外に性に関する情報をほとんど得ていないせいか、性感染症の怖さをまるで知らない人が多い。とくに若い女性は男性に押し切られる形でコンドームなしでの行為を受け入れるなど予防に対する知識・情報を知りません。医師にしても性感染症を診ることが少ないため、あまり深刻に考えていないところがあります。それが発見の遅れと感染拡大につながっているのです」
それは感染症発生動向調査週報の梅毒新規感染者の報告時期を見れば明らかだ。2022年は10月5日までに届け出のあった梅毒の病期は早期顕症梅毒Ⅰ期3289人、早期顕症梅毒Ⅱ期2237人、潜伏梅毒1317人、晩期顕症梅毒59人となっている。