兜の形の鍋で馬肉をしゃぶしゃぶ、焼き焼き、ジューッと揚げる
神奈川県横浜市の飲み屋街、野毛にあるおでん屋で、馬刺しを食べた。
店主によれば、北海道産の馬を福島・会津に持っていき、肥育した後つぶしたもので、部位はバラ。濃い味わいを存分に楽しんでもらいたいと、よく食べる馬刺しの切り方(スライス)ではなく、ブロックカットで出してくれた。
また、馬刺しには甘い醤油が添えられていることが多いが、肉の味をより分かるようにと、だし醤油、昆布醤油、自家製のニンニク辛みそで。個人的には、塩で食べるのもよかったかもしれない。“馬刺し観”が変わる体験だった。
日本国内で馬肉がよく食べられる地域としては、熊本県、福島県、福岡県、青森県など。これまで食べた中で印象に残っているのが、青森県五戸町の義経鍋だ。
まず鍋の形が独特。兜の形をしていて、兜の頭が水炊き用、兜のつばが鉄板用。つばの先は、油を受け止める小皿。水炊き部分で馬肉や野菜をしゃぶしゃぶし、鉄板部分で焼き焼き。小皿にたまった油に馬肉をくぐらせ、揚げ焼きにするのもOK。
青森に旅行した時、飲み屋で隣り合わせた人に義経鍋の話をしたら、「あ、鍋、持ってますよ」と軽く言われて驚いたことがある。あると、楽しいだろうなぁ。馬肉を食べるたび、義経鍋を買いたくなる誘惑に駆られてしまう。 (和)