慢性的な腰痛で悩んでいるなら…「痛み」の専門外来を受診する
■神経ブロック治療は効果の持続時間も重要
神経ブロック治療も有効な治療法だ。硬膜外ブロック、神経根ブロック、交感神経ブロック、椎間関節ブロック……と種類は多々あり、どれを選択するかで効果が違う。さらに、どれくらいの時間、効果が持続するのかもポイントだ。
「『効かない』という患者さんも、『1~2時間すら効かない』のか、『1~2時間は効いたのか』で戦略が異なります。『1~2時間すら効かない』人ではその神経が痛みの発生に関与していないと考え、別の治療を提案します。しかし『1~2時間は効いた』人では、その神経に原因があるが、治療が長期有効性を示していないということなので、神経機能を長期間抑制し痛みを軽減する高周波熱凝固やパルス高周波治療を検討します」
薬物治療と同時に重要なのは運動療法だ。
「痛みに特化したリハビリテーションを指導します。患者さんの痛みの場所、程度、筋肉量、運動経験、年齢などで適した方法は異なります。リハビリというと『痛いのを我慢してやる』というイメージが強いかもしれませんが、痛い運動、痛みを我慢して行う運動は禁止。その人にとってやっていいことと、やってはいけないことを具体的に指導します」
痛みは100%取れないかもしれない。しかし、短期的で実現可能な目標を立てて、痛みの緩和を目指す。特に睡眠は大事で、「(腰痛で熟睡できない場合に)夜眠れることを目指す」と目標を立て、実現できたことで、「ずいぶん楽になった」と感じる人は多いという。