若い頃のように熟睡できない…悩む高齢者は自身の「眠りの状態」をしっかり把握する
梶本氏らは数年前から「ライフリズムナビ」というシステムを高齢者施設に設置し、6000~7000人の睡眠データを解析している。さまざまなセンサーによって、睡眠時間、睡眠レベル、離床時間、離床回数、心拍、呼吸といった生体情報を1秒ごとに24時間365日計測できる。その解析結果によると、「眠れない」と訴える高齢者の半数から3分の2程度は、実際は十分な睡眠をとれているという。本人が「眠れない」と感じているのは、「満足感」がないためなのだ。
■検査で客観的なデータがわかる
睡眠に悩む高齢者が満足感を得られないのは、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)などにより睡眠の質が低下している可能性もある。まずは自身の睡眠状態を「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」でチェックするといい。
1泊入院して、頭、顔、首、胸、指、すねなどにセンサーを装着したまま就寝し、睡眠中の脳波、心電図、呼吸運動、動脈血酸素飽和度を計測する。睡眠障害の有無をはじめ、睡眠の質も把握できる。