心臓病のリスクをアップさせる「超加工食品」について考える
■まずは現状の食生活と照らし合わせて点検
超加工食品がどうして心血管疾患リスクをアップさせるのかについて、まだ具体的なメカニズムは明らかになっていません。ただ、理由はいくつか考えられます。
超加工食品は、糖分と脂肪分を多く含んでいるのが特徴です。ここに塩分も加わります。一方で、食物繊維やビタミンの含有量は少なく、栄養が大きく偏っています。また、甘い、しょっぱい、高カロリーなことから、食品単体で手軽に満足感を得られるため、さらに食事が偏ります。そのため、高血圧、高血糖、肥満、慢性炎症を招きやすくなります。これらは心血管疾患の代表的なリスク因子ですから、結果的に心血管疾患につながりやすくなると考えられるのです。
また、超加工食品に多く含まれる食品添加物が関係しているのではないかともいわれています。砂糖の代替として使われている人工甘味料の中には、血小板の凝固を促進する作用を持つものがあり、血栓ができやすくなるリスクを指摘する研究論文があります。ほかにも、乳化剤、酸味料、pH調整剤、結着剤などの添加物は動脈硬化を促進させ、心血管疾患リスクを上昇させる危険も報告されています。