「アレルギー」は心臓血管疾患の発症に大きく関わっている
ある日、虫に刺されたり、化学物質に接したり、ワクチンを接種したり、クスリを飲んだりしたことが引き金となって、アレルギー反応が増幅されるケースがあるからです。外国からの通販を利用する人の場合、梱包に使う段ボールに外来種の虫やその卵が付着していて、新たなアレルギーのもとになったりもします。
■手術でも“障害”になる
アレルギーは、心臓血管疾患の発症や死亡リスクを上げるだけでなく、心臓手術を行う際の“障害”にもなります。もしも手術中に患者さんがアレルギー反応を起こすと、血圧が急激に下がって血液の循環の維持ができなくなったり、呼吸困難になるなどして全身状態の維持に苦労します。予定外の処置が必要になるため、手術をスムーズに行うことが難しくなるのです。
そのため、手術の前は患者さんになんらかのアレルギーがないかどうかを問診でしっかり確認します。その結果、過去に明らかにアレルギー反応が出たケースがあったり、患者さん本人が自覚していれば、アレルギー反応が生じる原因になるような薬や機材などを使わないで済む方策を考え、同じ効果のある別タイプの薬に置き換えることも行います。準備を整えておけば、万が一、術中にアレルギー反応が起こったとしても迅速な対応が可能です。