リンパ浮腫ではどんなタイプのストッキングを選べばいい?

公開日: 更新日:

 つま先の滑りを良くするフットスリップやスライダーという装着補助具を使ったり、また、しっかりと腰までストッキングを持ち上げられるようゴム手袋を用いたりして、自宅でも毎日着用できるよう外来受診の時に練習を行います。

 弾性ストッキングは着用していると少しずつ伸びてしまいます。そのため「硬くてはきにくい」と思っていても、圧迫力が低下していきます。また、価格もパンティーストッキングタイプは約2万円~、片足タイプは1万円~と、気軽に買い替えられる値段でもありません。そこで、厚労省はリンパ浮腫の患者さんを対象に、医師の指導のもと購入された弾性ストッキングに対して半年ごとに年に2回、療養費の支給を行っています。多くの患者さんはこの制度を利用して半年をめどに新調されています。

 リンパ浮腫は、一度発症すると完治するのが難しい病気ですが、早期に発見し適切な治療を受けることでむくみの悪化を防げます。いつもと違ったむくみがあれば、放置せずに、むくみ外来を受診してください。

▽松原忍(まつばら・しのぶ)順天堂大学再生医学講座 形成外科。琉球大学卒業後、同大学胸部心臓血管外科教室へ入局。末梢血管疾患の診療に携わった後、横浜市立大学形成外科でリンパ浮腫に対する手術法を学ぶ。2020年から順天堂医院足の疾患センターでリンパ浮腫診療を開始。24年4月から現職。

【連載】日本版「足病医」が足のトラブル解決

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…