なぜ日本は医師が少ないのか…医学部生もOECD36カ国中34位
高齢化率を考えれば、韓国より日本の方が事態は深刻だが、日本と韓国の対応は対照的だ。
2015年から厚労省で開かれている「医師需給分科会」は、2022年2月に「第5次中間とりまとめ」を発表し、その中で「令和11年頃に需給が均衡し、その後も医師数は増加を続ける一方で、人口減少に伴い将来的には医師需要が減少局面になるため、医師の増加のペースについては見直しが必要である」と結論した。
あと5年後に医師数が充足するなど、にわかには信じられない。
従来、厚労省は「医師は不足していない。偏在が問題である」という主張を繰り返し、4月15日、武見敬三厚労大臣は、衆議院決算行政監視委員会で「単に医師の増員によって医師不足が解消できるかといったら、そうではなかった」「規制を含めて、前例にとらわれない方法で問題を解決する政治的リーダーシップが必要」と説明した。
本当は、医学部定員の増員が不十分だったからだが、彼らはそうは考えない。従来進めてきた医学部地域枠などの仕組みに加え、新たな規制を設けて、若手医師に医師不足地域での勤務を義務付けるのだろう。