酒向正春
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酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

リハビリ医にとって絶対に欠かせない能力はなにか?

公開日: 更新日:

 ①脳梗塞では、脳動脈狭窄(ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞)であれば抗血小板剤、心房細動(心原性脳梗塞)であれば抗凝固薬を使って血液を固まりにくくします。脳動脈や頚動脈が今にも詰まりそうなほど狭窄している患者では、急いで動脈を拡張する手術が必要になるケースもあります。

 また、動脈が狭窄する原因は、高血圧糖尿病、高脂血症ですから、それぞれに対する管理も行います。高血圧に対しては、降圧剤で130/85(㎜Hg)以下に管理します。

 糖尿病は、リハビリのトレーニングで筋肉を使うことで良好に血糖値が下がるため、筋負荷で良好に管理できます。中には、リハビリを行うことで経口糖尿病薬を減量したり中止できるケースもあります。一方、リハビリが順調に進まず、十分に筋肉を使うことができない場合は、内服やインスリン注射に頼ることになります。

 高脂血症で、脳動脈や頚動脈の狭窄が強い場合(アテローム血栓性脳梗塞)は、血管内で肥厚している血管内皮を退縮させるために、LDLコレステロールを70以下にする内服管理で、手術や再発を防げる可能性があります。脊髄梗塞はまれな疾患なので、今までに説明した以上の特別な再発予防策はありません。

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