リハビリ医にとって絶対に欠かせない能力はなにか?
①脳梗塞では、脳動脈狭窄(ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞)であれば抗血小板剤、心房細動(心原性脳梗塞)であれば抗凝固薬を使って血液を固まりにくくします。脳動脈や頚動脈が今にも詰まりそうなほど狭窄している患者では、急いで動脈を拡張する手術が必要になるケースもあります。
また、動脈が狭窄する原因は、高血圧、糖尿病、高脂血症ですから、それぞれに対する管理も行います。高血圧に対しては、降圧剤で130/85(㎜Hg)以下に管理します。
糖尿病は、リハビリのトレーニングで筋肉を使うことで良好に血糖値が下がるため、筋負荷で良好に管理できます。中には、リハビリを行うことで経口糖尿病薬を減量したり中止できるケースもあります。一方、リハビリが順調に進まず、十分に筋肉を使うことができない場合は、内服やインスリン注射に頼ることになります。
高脂血症で、脳動脈や頚動脈の狭窄が強い場合(アテローム血栓性脳梗塞)は、血管内で肥厚している血管内皮を退縮させるために、LDLコレステロールを70以下にする内服管理で、手術や再発を防げる可能性があります。脊髄梗塞はまれな疾患なので、今までに説明した以上の特別な再発予防策はありません。