多発性筋痛症と診断され、原因不明&治療なしと諦めていたら…
その患者さんは20年ほど前から腰痛を患っていた75歳の方でした。ある日、寝床から立ち上がろうとした時に急に腰に痛みが走り、それ以来、その状態が1カ月以上続いたことから、地元群馬にある整形外科の診察を受けたといいます。レントゲンによる診察を受けた結果は、神経痛の一種である多発性筋痛症。
この病気は免疫の異常により起こるとされており、特に高齢の方に比較的多く見られる、老化に伴うものとされています。ただ、原因は明確には解明されておらず治療法も確立していません。それもあってか、この方の場合も痛み止め薬の処方による保存的治療となり、以来そんな状態を続けてきたというのでした。
ところが、2年前あたりから、右足外側に、しびれとともに痛みが出現するようになり、日常生活にも支障を来すほどに。ある雑誌に掲載された我々クリニックの紹介記事を見て、群馬から単身訪ねて来られたのでした。
改めて診察をした結果は意外なものでした。神経痛ではなく、椎間板変性症という病気であり、患部も特定することができたのでした。