真夏前に知っておくべき「性感染症」(2)梅毒を疑ったら3週間後に血液検査を
治療法が発達した今ではそのようなケースをみることはめったにないが、梅毒は偽装の達人ともいわれるほど、多くの症状があらわれる。例えばバラ疹をじんましんやアレルギー性皮膚炎と勘違いしたり、症状が自然消滅したから治ったと勘違いする人も多いという。そんな梅毒感染の有無は血液検査で簡単にわかる。厄介なのは感染から3週間以内だと正確な判断ができないことだ。
「梅毒リスクが疑われる性交渉をしてすぐに血液検査をして陰性であっても、さらに3週間後にもう一度検査して調べる必要があります。感染から3~6週間も経ってから検査に行く人は少ないため、梅毒は見逃され、感染が広がることになるのです。ですから梅毒と診断されたら、必ず性交したパートナーに連絡して梅毒の診断と治療を受けるよう連絡する必要があります。現在の感染拡大はこうした気遣いのなさにも一因があるのです」
梅毒で大事なことは感染を疑ったら、恥ずかしがらずに医療機関に行き、血液検査することだ。幸い梅毒の治療はペニシリンが有効で、早期顕症梅毒なら、ペニシリン系の経口抗菌薬を4週間程度飲み続けるか、1回の持続性ペニシリン注射剤で治療は完了する。梅毒を疑ったら恥ずかしがらずにすぐに受診することだ。