充血対策の目薬の長期使用でさらに充血…改善にはかなりの期間が必要
「充血を取る」とパッケージなどに記載された目薬を1年以上常に使い続けている患者さんが、根本的に充血を治すためには時間がかかります。1年以上、長いと2~3年かかることも。
「長期間、充血を取る目薬を使用している」と話す患者さんには、まず充血を取る目薬の使用を中止してもらいます。そして、2時間ごとに点眼するタイプのドライアイ用の点眼薬を1カ月分処方します。1カ月後に再受診してもらって目をチェックするようにしていますが、1カ月では効果がはっきりと出ない患者さんは多いです。
私は「長年充血を取る目薬を使用されてきたことで、血管収縮剤によって毛細血管が太くなってしまっているので、元に戻るには時間がかかります」と治療の最初に説明しますし、根気が必要だとも伝えます。
ところが、この説明をきちんと患者さんに行わない医師もいる。そうなると患者さんは「全然治らないじゃないか」と不安になってしまう。そのうち「2時間に1回、目薬を点眼するのが面倒」となり、「手っ取り早いから」と充血を取る目薬に戻っていく──こういう方は多いです。