充血を取る目薬を常用していると充血が一層ひどくなる
「目の充血を取る目薬の常用はやめてください」──前回、そうお話ししました。
「充血を取る」とパッケージに記された目薬には、白目の血管を収縮する塩酸テトラヒドロゾリンという物質が入っている。その物質の働きで、差した瞬間に血管がきゅっと収縮し、白目が瞬時に真っ白になるんですね。
ですが、きゅっと収縮した血管平滑筋(血管壁の筋肉)は、戻るときには少し弛緩した状態で戻る。それを繰り返すと、血管がどんどん太くなっていくんです。充血を取る目薬を常用している人は、薬の効果が切れると点眼前より強く充血した目になってしまいます。
「充血を取る目薬を差していても効果がないんです」といって、私のクリニックを受診する患者さんは少なくありません。そうおっしゃる患者さんの目を診察すると、「充血を取る目薬を常用している方だな」とすぐにわかります。
顕微鏡を通して見ると、目の中の血管がどこか不自然にたるんでいるからです。使用していない患者さんの血管を顕微鏡で見ると、パンとして張りがある。これが普通の状態です。