「医薬品副作用被害救済制度」の対象はクスリを正しく使っている場合に限られる
当連載で以前にもお伝えしましたが、あくまでクスリは体にとって「異物」であり、病気の人はその異物のチカラを使って体の調子を整えています。そして異物である以上、どんな副作用がどんなタイミングで、どんな症状として現れてくるのかを予測するのは困難です。何よりも大前提として重要なのは、「副作用のないクスリは存在しない」ということです。特に高齢者は体の生理機能の大部分が低下しているため、副作用のリスクは高くなります。
さて、みなさんはそういった副作用が起こったときに利用できる公的支援制度があるのをご存じでしょうか?
「医薬品副作用被害救済制度」といいます。クスリによって重篤な副作用が起こり、入院治療が必要となるほどの健康障害が起こった場合に、医療費や年金などの給付金が支払われる制度です。
ここでポイントになるのが、「クスリを適正に使用していて起こった副作用」が対象となる点です。病院で処方されたクスリであれば、用法用量を正しく守って使用していたにもかかわらず重篤な副作用による健康障害が起こった場合などがそれに該当します。