著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

腎機能の低下によって思わぬ副作用が現れるケースがある

公開日: 更新日:

 以前、サプリメントによる「腎機能障害」を取り上げました。腎臓は血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出します。多くの医薬品も腎臓から体の外へ排出されています。また、腎臓は体に必要なものを再吸収し、体内にとどめる働きもしています。しかし、これら腎臓の働き=腎機能は、年齢とともに低下していきます。腎臓の働きが低下すると、医薬品の排泄が遅れ、思わぬ副作用を起こしてしまうケースがあります。そうしたこともあって、薬剤師は腎機能の指標である「血清クレアチニン」や「eGFR」などに注意を払い、腎機能に応じた薬の用量や投与回数などを医師に提案しています。

 たとえば、新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬であるパキロビッドパックの場合、eGFRが60ミリリットル/min未満の中等度腎機能障害患者では減量を、eGFR30ミリリットル/min未満の重度腎機能障害患者では投与の中止もしくは投与する医薬品の変更を提案しているのです。

 腎機能以外にも、多くの医薬品を分解する肝臓などの機能も、年齢とともに徐々に低下していくため、長年飲みなれている薬でも副作用には注意が必要です。

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